「鬼怒川グランドホテル夢の季」で展示中の白色LEDを使った「行灯(あんどん)」が夏休みの宿泊客に好評だ。和紙とLEDを使った新しいコンセプトの照明器具で女子大生がデザインした。
7月6日から9月2日まで展示中の「LED+ART展」。相模女子大学短期大学部生活造形学科の女子学生がデザイン、制作した行灯5点を館内の大浴場前に、芸術家2人の大型作品を貸切り露天風呂入り口前の野外にそれぞれ展示している。すべてLEDを使った作品だ。
中小基盤整備機構が推進する「販路開拓コーディネート事業」にLED式交通信号用電球製造の常磐電業が応募。産学共同プロジェクトで、相模女子短大の学生が和風旅館に向けにLEDを使った行灯をデザインすることになった。
昨年9月に常磐電業の担当者が同短大を訪れ、「熱を持たない、消費電力が少ない、小さい、光の色が自然光に近い、光の直進性が高い」などのLEDの特性を学生達にレクチュア。「生活デザイン演習」という授業の中で80人の学生がLEDを使った「旅館の行灯」を制作した。今回展示されている5点は、指導教官で芸術家の日比淳史氏が全作品の中から5人の学生の作品を選出したもの。展示スペースは、制作した女子学生らと同世代の若い女性の宿泊客が多い鬼怒川グランドホテル夢の季が無償で提供した。
8月9日、鬼怒川グランドホテル夢の季で行われた表彰式では、小泉典子同大学学長と竹野雄造常磐電業社長から学生5人に感謝状などが手渡された。
鬼怒川グランドホテル夢の季の波木友子女将は歓迎のあいさつで「LEDの優しい光の行灯は純和風旅館にぴったり。かわいらしく、おしゃれな作品ばかりで、女性客によろこんでいただいている」と微笑んだ。
また展示作品の1つ、「親子」=写真=を制作した山口萌絵さんは「照明を見ることで癒されたり元気づけられたりする作品をつくりたいと思った。一人暮らしとか親元を離れて生活している人がこの照明を見ることで一人じゃないと思ってもらえたらいい」と作品に込めた想いを語った。
今回のLED+ART展では貸し切り露天風呂前に、錆びた鉄の壁とLED、植物を組み合わせた日比氏の大型メタルアート作品と、無数のLEDをちりばめた何本もの棒が天に向って伸びている伊藤隆治氏の大型ライトアート作品の2点も展示されている。